ただいま縦書きブログのテスト中

日本語でも横書きで済むものは横書き。でも、日本語の俳句は縦書き



前回句会の成果と次回句会のお知らせ

2011年6月12日日曜日

第七回句会成果と次回お知らせ


 五月初旬といえば、例年ならばゴールデンウィーク。一年中でいちばん過ごしやすい季節のはずが、東日本震災にくわえて原子力発電所災害や進展をみせない国の被災地支援など、気分が晴れない報道がつづき、「なんとか句会をとおして日常を取り戻す工夫をしてみたい」と句会に出かけても、このブログ巻頭の写真を撮るカメラを忘れてしまう体たらく。
 さて、どうしたものかと句会会場で一人腕組みをしていたところに、ぬっと現れたのが、大畑さんの短冊。どうやら、大畑さんも気分はおなじようで、「あらためて俳句を文字で確かめたくなったので書いてみました。」というのが次の写真です。



句番号36番 (下の段に掲載)
―当日の秀句(最高点)―





句番号12番
 
句番号25番



句番号23番
(どこで投句してもとられない句とか・・・
『燕の肉屋』とは
<燕が軒下に巣をつくった肉屋のこと>、だそうです。)









 以下、兼題の「器(うつわ)」をふくむ題詠および有季あるいは無季雑詠三十六句と、選句結果をお知らせします。はじめに、高得点句五句をあげます。投句者七名、選句者七名。選句者の持ち点は一人八点( 評価基準は「天(☆)一句=三点」、「地(◎)一句=二点」、「人(〇)三句=各一点」、総得点合計=八点×七名=五十六点。選句集計内訳は下の表を参照ください。



 



   我が行方不明や深く芋を植え    等   ―九点―

   捨てられし器がこぼす五月雨    耕人  ―四点―

   毎週泣く恋人がいて木の芽どき    粒人  ―四点―

   むかし鉄の町鉄のにおいの消え果てて    耕人  ―四点―

   サンテンイチイチ賢治ハ下ノ畑ニ居     等  ―四点―




                   ◆得点合計が高かった作者は次のとおり。
                    ほかの作者の得点と選句集計内訳は下の
                    【集計表】をクリックすると拡大します。
                  

 






   等・・・・・・・・・・・・十七点

  耕人・・・・・・・・・・・・十三点

  粒人・・・・・・・・・・・・十二点



【集計表】(一度クリックして画像が現われたら、もう一度クリックすると拡大します。)
句会の醍醐味は、「詠んで、読まれる」ところにあるようです。〈どの句を誰が詠んだか?〉もさることながら、〈どの句を誰が読み、誰と誰が共感したか?〉を確かめてみてはいかがでしょう!〈共感の"こだま"がひびき合う〉のも句会の楽しさのひとつではないでしょうか。






    次に当日の投句三十六句を配布された清記表に書かれた順で上の五句を含めて列記します。@涵徳亭


 

一 あかき身を黒織部にや初かつを   夏風

ニ アッなまずよする白波鏡池   一敏

三 器にて形を変える水いと  ちゃぶ台

四 梅干しやたけのこのかわ色つけて   夏風

五 屋上の蜜蜂皇居に花盗人   耕人

六 女の子ここのつの穴そこかしこ   一敏

七 噛み殺す笑いころがす村井和一   肝啓

八 鍵善に葛きり萌ゆる江戸切子    一敏
 

 九 梅実る梢の先に?シーベルト   肝啓

 十 ご詠歌も苔も褐色なる列島   粒人

十一 この歳で暮れて成れるか大器おおうつわ   夏風

十二 サンテンイチイチ賢治ハ下ノ畑ニ居   等

十三 寂しけり黄金週間自粛かぜ   夏風

十四 上海は夏なり硝子花器ひとつ   ちゃぶ台

十五 春眠のち時々朝寝あくび尽き  肝啓

十六 自閉して黄金虫おうごんちゅうを旅に出す   耕人
 

十七 垂直にうどんをすする那智の旅   粒人

十八 捨てられし器がこぼす五月雨さつきあめ   耕人

十九 たましいの器のへりが錆びている   粒人

二十 地鳴りせど土蠢いて蟻一匹   肝啓

二一 戸田の風光りて新人漕ぎ出す   ちゃぶ台

二二 津波来る縄文土器の一破片かけら   等

二三 何をしに来しか津波は燕の肉屋   

二四 春の海荒ぶり立ちて連れ去りし夢   ちゃぶ台
 

二五 菜の花の黄のささやきへ汝と我   等

ニ六 初恋や心ときめき鯉のぼり    夏風

ニ七 漂着の器にすくい夏の海  耕人

二八 学舎まなびや一月ひとつき遅れの春来たる  ちゃぶ台

二九 毎週泣く恋人がいて木の芽どき  粒人

三十 水もれる器のひびにカモメ散り   肝啓

三一 密教の聖地で拾う蛇の皮   粒人

三ニ むかし鉄の町鉄のにおいの消え果てて   耕人
 

三三 紫野西湖のなごみ真珠庵   一敏

三四 揺する焼く呑み込む力を遠望す   粒人

三五 閖上ゆりあげの赤貝冴える古染付   一敏

三六 我が行方不明や深く芋を植え   等

               ―席題@飯田橋 某居酒屋は、今回モ(のみすぎて)お休み―
 
追伸:
次回は7月2日(土)午後5時から、場所は今回とおなじ小石川後楽園涵徳亭(かんとくてい)
◎会費:3,000¥/人(会場使用料+軽い飲食費)、飲み会は別途精算。
投句は五句。題詠一句以上、有季または無季雑詠あわせて五句を投句いただけますでしょうか。     兼題ははし。席題は飲み会の成り行きで、飲み会は午後8時半ごろから場所は未定(成り行き次第)
投句締切りは6月30日(木)昼ごろまでに宮坂宛てにメールで送信いただけますでしょうか。

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