処暑もすぎたというのに、「夕涼み」という言葉が「熱帯夜」という言葉と入れ替わり死語になりつつあるのでは、とおもわせる土曜日(九月四日)、第三回めの句会が開かれました。句会参加者(敬称略)は大畑 等、宮坂公啓の二名でしたが、大畑さんの機転で大畑さんの句友の中山銀士(なかやま ぎんお)さんに選句に加わっていただきました。投句は五名からあり(左の二名に加え土屋秀夫、下田濟二郎、細井尚子)、また前回同様、句会飲み会に山中康廣さんが駆けつけてくれました。句会参加者三名にもかかわらず、選句と講評にじっくり三時間、充実した句会になりました。奇数月の第一土曜日は、「句会ホチュウ類」と手帳にメモをおねがいします。次回の予定は十一月六日(土)。
以下、兼題の「さんま」をふくむ題詠および有季あるいは無季雑詠二十五句と、選句結果をお知らせします。はじめに、高得点句四句をあげます。投句者が五名に対し、選句者は六名。選句者の持ち点は一人八点( 評価基準は「天(☆)一句=三点、地(◎)一句=二点、人(〇)三句=各一点)、総得点合計=八点×六名=四十八点。選句集計内訳は下の表を参照ください。
たましいの抜ける網戸を注文す 等 ―七点―
七輪に枕ならべる秋刀魚かな 肝啓 ―六点―
空き缶をつぶす音きく羽根布団 耕人 ―五点―
一貫目の氷を運ぶ非常口 等 ―五点―
◆得点合計が高かった作者は次のとおり。
ほかの作者の得点と選句集計内訳は下の
【集計表】をクリックすると拡大します。
肝啓・・・・・・・・・・・・十四点
等 ・・・・・・・・・・・・十三点
耕人 ・・・・・・・・・・・九点
【集計表】(一度クリックして画像が現われたら、もう一度クリックすると拡大します。)
〈どの句を誰が詠んだか?〉もさることながら、〈どの句に誰と誰が共感したか?〉を確かめてみてはいかがでしょう!〈共感の"こだま"がひびき合う〉のも句会の楽しさのひとつのようです。
次に当日の投句二十五句を配布された清記表に書かれた順で上の四句を含めて列記します。@涵徳亭
一 こほろぎにさそはれて焼き秋刀魚くふ 夏風
ニ
三 銃口は何を見張るやラサの辻 ちゃぶ台
四 食べ眠り決起の仕置きに耐える町 ちゃぶ台
五 空き缶をつぶす音きく羽根布団 耕人
六 還暦の鼻毛を抜きて夏の盛り 等
七 扇風機うなり首ふる夜の底 肝啓
八 ゆふ涼みけむりの主はさんまかな 夏風
九 仮面舞う天に
十 目覚むれば母追う夢に目覚めたり 耕人
十一
十二 夜風あり身体あずけて涼みかな 肝啓
十三 たましいの抜ける網戸を注文す 等
十四 隣室の妻アイロン掛け叫べども 耕人
十五 一貫目の氷を運ぶ非常口 等
十六 涼風をはこび来たりてあげは蝶 肝啓
十七 ぢふぢふともくもくぱっぱにあっちあち 夏風
十八 海はじけ煌めくさんま命群れ 肝啓
十九 七輪に枕ならべる秋刀魚かな 肝啓
二十 世に生きて後家新米を炊き上げる 耕人
二一 秋ちかし明日は目黒の俳諧へ 夏風
二二 病院に父見舞の夜さんま食い 耕人
二三 冷や物に慣れし
二四 のわき吹きすずむし鳴きて夏終わり 夏風
二五 秋刀魚食う奴の生き死に占えり 等
―席題@飯田橋 三州屋は、今回はお休み―
追伸:
◆次回は11月6日(土)午後1時から、場所は今回とおなじ小石川後楽園涵徳亭(かんとくてい)。
◎会費:3,000¥/人(会場使用料+軽い飲食費)、飲み会は別途精算。
◎投句は五句。題詠一句以上、有季または無季雑詠あわせて五句を投句いただけますでしょうか。 兼題は「
◎投句締切りは11月3日(金)昼ごろまでに宮坂宛てにメールで送信いただけますでしょうか。