句会数日前から台風注意報がテレビに流れ、句会前日は左のような台風経路がYahooの天気予報欄に現れ、ずぶ濡れの句会も覚悟しましたが、富士山のお陰といわれてきたように関東地域に台風は上陸することなく、九回めの句会の運びとなりました。
ことしは三月十一日以来、日本列島の形を目にする機会が多いせいか、あらためて、日本が自然災害が多いということは自然が豊かな証拠と思うと同時に季節の移り変わりのわずかな変化に気づくことが多くなったようにおもいます。
下の写真は、ことしはたぶんこれが最後ではないかとおもって撮った一つだけ咲いた朝顔(10月24日撮影)。夏に咲き、秋のおわりまで繰り返し咲いて目を楽しませてくれます。
蝉しぐれ樹木樹木に呪文吐き 肝啓 ―九点―
秋風やあまりに大きい落とし穴 等 ―五点―
秋うらら真一文字の口ほどく ちゃぶ台 ―五点―
老いらくの恋の道行甲骨文字 康廣 ―五点―
大文字別れ話をぼそと聞く 等 ―四点―
星月夜赤い風車の回す夢 ちゃぶ台 ―四点―
◆得点合計が高かった作者は次のとおり。
ほかの作者の得点と選句集計内訳は下の
【集計表】をクリックすると拡大します。
肝啓・・・・・・・・・・・・十五点
等・・・・・・・・・・・十三点
ちゃぶ台・・・・・・・・・・十二点
【集計表】(一度クリックして画像が現われたら、もう一度クリックすると拡大します。)
句会の醍醐味は、「詠んで、読まれる」ところにあるようです。〈どの句を誰が詠んだか?〉もさることながら、〈どの句を誰が読み、誰と誰が共感したか?〉を確かめてみてはいかがでしょう!〈共感の"こだま"がひびき合う〉のも句会の楽しさのひとつではないでしょうか。
次に当日の投句四十四句を配布された清記表に書かれた順で上の八句を含めて列記します。@涵徳亭
一 秋の夜は白い行間文字の色 康廣
ニ 秋風かひと汗かいて夏偲ぶ 夏風
三 秋風やあまりに大きい落とし穴 等
四 秋風の低空飛行文字の上 肝啓
五 秋うらら真一文字の口ほどく ちゃぶ台
六 歌ごころ流れのままに女文字 一敏
七 絵日記のパンダの脱糞見て笑ふ 句浪人
八 インカレに敗れし4年生の笑み ちゃぶ台
九 春日部に颱風来たり腹出せり 等
十 風ひやり耳のうしろを夏は逝き 肝啓
十一 仮名がしらセシウム振りしわが妹子 一敏
十二 文字の上ハエが手を摺り大あくび 肝啓
十三 芸術無し酒も無しただ稲妻を遠望す 粒人
十四 かきごおり毒々しきに涼新た 一敏
十五 蝉しぐれ樹木樹木に呪文吐き 肝啓
十六 静けさや黒文字キラリ水羊羹 一敏
十七 私か詩か死か「し」といふ文字を古酒で引く 句浪人
十八 ギラぎらと風鈴の音に秋遠し 一敏
十九 蝉時雨
二十 老いらくの恋の道行甲骨文字 康廣
二一 祝開通夏の邸宅風の道 句浪人
二二 掃き出せば餌を離さぬ螳螂も 耕人
二三 牝鹿の吐息白樺林に霧深し 句浪人
二四 「娑婆ふさぎ」
二五 唄うより語れというは歌の文字 康廣
ニ六 残り暑の文からはっとせちを見る 夏風
ニ七 真の文字ソレデイイノダシカタナイノダ 康廣
二八 夏夜満ち和紙一枚に文字が湧き 肝啓
二九 なにごとの音づれなるや古代文字 粒人
三十 大文字別れ話をぼそと聞く 等
三一 月見ては思ひ込めんや十七文字 夏風
三ニ 自由形いき吸う毎に天高し 耕人
三三 もう一枚着るかやめるか野分かな 夏風
三四 茄子牛が群れる彼岸や曼珠沙華 ちゃぶ台
三五 靖国や無窮の熱気を呼吸する 粒人
三六 終戦日朝までワーグナーが侵攻す 句浪人
三七 六根清浄蠅取り紙は天井に 等
三八 腹すいて蟻の二列目手に移す 耕人
三九 星月夜赤い風車の回す夢 ちゃぶ台
四十 別れ話男の裸撮る女 耕人
四一 文字伝う肌より先に秋の先がけ 夏風
四二 母が死ぬつるうめもどきの気配かな 等
四三 文字盤の刺す一刻をくり帰し 耕人
四四 われに似て心身脱落する干物 粒人
―席題@飯田橋 某居酒屋は、今回モ(のみすぎて)お休み―
追伸:
◆次回は11月5日(土)午後5時から、場所は今回とおなじ小石川後楽園涵徳亭(かんとくてい)。
◎会費:3,000¥/人(会場使用料+軽い飲食費)、飲み会は別途精算。
◎投句は五句。題詠一句以上、有季または無季雑詠あわせて五句を投句いただけますでしょうか。 兼題は「
◎投句締切りは11月3日(木)昼ごろまでに宮坂宛てにメールで送信いただけますでしょうか。
前回につづいて、次回の兼題が過去のものと重ならないように記録していくことにします。
第二回 サングラス 出題 等
第三回 さんま 出題 等
第四回 蓋 出題 等
第五回 音 出題 等
第六回 鋸 出題 等
第七回 器 出題 等
第八回 橋 出題 等
第九回 文字 出題 肝啓
第十回 熱気球 出題 肝啓