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前回句会の成果と次回句会のお知らせ

2011年2月7日月曜日

袋まわし(第一回@飯田橋・まんなかや)


『袋まわし』をやってみませんか?という土屋秀夫(耕人)さんの発案から、きぜわしい師走の始まるすこし前の12月3日、第一回句会ホチュウ類袋まわしを開きました。「袋まわし」をごぞんじない方に簡単にご紹介すると、「袋まわし」は句会参加者が互いに出しあった席題に、それぞれが俳句を作り、席題を書いた袋(封筒)に俳句を書いた紙を入れ、順繰りにまわしていく句会です。手順は次のようになります。
①袋まわしに参加する人数分の封筒(B5サイズぐらい)を用意します。俳句を書く紙切れまたは一筆箋は人数×人数枚程度(6人なら36枚以上)。
②参加者に配られた封筒に、参加者がそれぞれ席題を書きます。
③席題を書いた封筒に、俳句を詠んだ紙を入れ、順繰りに封筒をまわしていきます。
④俳句ができない人のところに封筒が溜まることも起きますので、推敲は手際よく、思い切りよく俳句を作ることになります。
⑤俳句が出そろったところで、封筒に入れられた俳句を封筒に書いて、順繰りに選句していきます。
⑥選句の結果を互いに確かめ、わいわいがやがや合評。作者を名乗るのは合評の後にするほうが選んだ俳句を率直に評価でき、活発で楽しい句会になります。
<参加者人数分の席題に俳句をつくる>ということで初めは躊躇しましたが、やってみると成果はまずまずの出来栄えではなかったでしょうか。
 以下、当日の袋まわし三十六句と、選句結果をお知らせします。はじめに、高得点句八句をあげます。出題者、投句者、選句者はそれぞれ六名。選句者の持ち点は一つの席題に対して一人五点( 評価基準は「天(☆)一句=三点、地(◎)一句=二点)としましたので、各席題の最高得点句は十五点(三点×五人)となります。全三十六句は下段にまとめました。「どの句を誰が選句?」についてはこの↓写真をクリックすると拡大します。







 
  冬の日を吸いつくし山眠る    耕人 (十五点)

  伝説の蠅の王とすれ違う    粒人 (十一点)

  つなぐ手のちからふとゆるむ夕暮れに   夏風 (十一点)

  冬至なり天井裏に木刀置く   等 (十点)

  花道に本物の雪歌舞伎役者   耕人 (九点)

  ハエとまる時を待ち受け大あくび    肝啓 (九点)

  夕暮れの美空ひばりは父の声   等 (九点)

  風止んで一まわりする風車   耕人 (九点)



次に当日の投句三十六句を後日、清記表にまとめた順で上の六句を含めて列記します。@まんなかや





席題 木刀         出題 肝啓 

 一 寒げいこ木刀もつ手もややちぢむ  夏風

 ニ 空切るか宇宙切ってみる木刀  肝啓 (六点)

 三 面とって木刀真剣勝負です   耕人

 四 冬至なり天井裏に木刀置く  等 (十点)

 五 君がふる木刀ひかる冬の空  康廣  (七点)

 六 木刀の落ちる重さや冬木立  粒人 (七点)



席題 山眠る          出題 夏風

 七 山眠る山霧はれて素ぱだか  康廣 (六点)

 八 冬の日を吸いつくし山眠る   耕人 (十五点)
 
 九 独身というだけの人山眠る  粒人 (二点)

 十 むらさきの京人形や山眠る    等

十一 散る紅葉空舞い踊り山眠る   肝啓 (五点)

十二 葉の落ちて雪化粧して山眠る  夏風 (二点)


席題 歌舞伎役者            出題 等

十三 板の上立ち損ねて歌舞伎役者  肝啓 (七点)

十四 木板や歌舞伎役者の心と肺  等 (二点)

十五 とんでいる歌舞伎役者がころんでる  康廣 (三点)

十六 雁列がんれつや歌舞伎役者は裸足すあしなり   粒人 (七点)  
十七 名をあげる歌舞伎役者の暮の街  夏風 (二点)

十八 花道に本物の雪歌舞伎役者   耕人 (九点)
 


席題              出題 耕人

十九 寒のハエ叩いて辺りの王となる  耕人 (七点)  
二十 お棺には蠅捕紙を入れて呉れ   等 (三点)

二一 あはれ蚊と肩のならばぬ冬の蠅   夏風

二二 飛んできて君に手をする足をする    康廣

二三 伝説の蠅の王とすれ違う   粒人 (十一点)

二四 ハエとまる時を待ち受け大あくび   肝啓 (九点)

席題 夕暮れ             出題 粒人

二五 夕暮れの美空ひばりは父の声   等 (九点)

ニ六 家出して夕暮れまでは駅にいて   耕人(八点)

ニ七 待ちぼうけなきにしもあらず夕暮れ  肝啓

二八 つなぐ手のちからふとゆるむ夕暮れに  夏風 (十一点)

二九 夕暮れに出かけるべきかいるべきか   康廣

三十 夕暮れという酒場あり師走なり   粒人 (二点)

席題                  出題 康廣

三一 風とまり天道まるく浮かびけり   肝啓  (三点)

三ニ 風の道歩道の他者は影ばかり    粒人 (三点) 

三三 略歴に黒い風が去らずにいる   等  (七点)

三四 空高く風に吹かれて見ゆる街   夏風  (六点)

三五 風止んで一まわりする風車   耕人  (九点)

三六 ハヤブサ散る宇宙の風の音を観る   康廣  (二点)  

追伸:
次回は3月5日(土)午後5時から、場所は前回とおなじ小石川後楽園涵徳亭(かんとくてい)
◎会費:3,000¥/人(会場使用料+軽い飲食費)、飲み会は別途精算。
投句は五句。題詠一句以上、有季または無季雑詠あわせて五句を投句いただけますでしょうか。    兼題は「鋸(<のこぎり>、略して<のこ>ともいう)。席題は飲み会の成り行きで、飲み会は午後8時半ごろから場所は未定(成り行き次第)
投句締切りは3月3日(木)昼ごろまでに宮坂宛てにメールで送信いただけますでしょうか。