昨年十月の『72年ぶりの寒さ』が予兆であったことが分かるようになった1月15日(土)、第五回めの句会が開かれました。句会参加者(敬称略)は大畑 等、下田濟二郎、土屋秀夫、中山銀士(なかやま ぎんお)、宮坂公啓、山中康廣の六名でしたが、当日都合のつかなかった細井尚子さんの投句も加わって合計三十五句の投句となり、選句と講評ともに充実した句会になりました。飲み会は新年ということもあって、いつもの場所を変え、飯田橋に明るい中山さんお勧めの店。キムチのうまい居酒屋でした。
以下、兼題の「音」をふくむ題詠および有季あるいは無季雑詠三十五句と、選句結果をお知らせします。はじめに、高得点句五句をあげます。投句者、選句者各七名。選句者の持ち点は一人八点( 評価基準は「天(☆)一句=三点」、「地(◎)一句=二点」、「人(〇)三句=各一点」、総得点合計=八点×七名=五十六点。選句集計内訳は下の表を参照ください。
時きざむ音に耳立つ鬼瓦 肝啓 ―六点―
少年の音楽盗み白ふくろう 等 ―五点―
言の葉の
吊革の等しく揺るる冬のバス 耕人 ―四点―
点滴のしずくの音や冬の海 耕人 ―四点―
◆得点合計が高かった作者は次のとおり。
ほかの作者の得点と選句集計内訳は下の
【集計表】をクリックすると拡大します。
肝啓・・・・・・・・・・・・十三点
等 ・・・・・・・・・・・・十点
ちゃぶ台 ・・・・・・・・・・九点
耕人・・・・・・・・・・・・・九点
【集計表】(一度クリックして画像が現われたら、もう一度クリックすると拡大します。)
句会の醍醐味は、「詠んで、読まれる」ところにあるようです。〈どの句を誰が詠んだか?〉もさることながら、〈どの句を誰が読み、誰と誰が共感したか?〉を確かめてみてはいかがでしょう!〈共感の"こだま"がひびき合う〉のも句会の楽しさのひとつではないでしょうか。
次に当日の投句三十五句を配布された清記表に書かれた順で上の六句を含めて列記します。@涵徳亭
一 あさ逍遙背筋が伸びるモズの声 夏風
ニ 荒星や爺さまよりは婆さま好き 等
三 沿線の自殺のせいで遅刻する 耕人
四 おたま逝く友猫知らず誘い啼き 康廣
五 音せぬをくちに言う雪の夜 夏風
六 音も無く烏舞い降り三羽四羽 肝啓
七 お茶室に静けさ誘う釜の音 康廣
八 駆け抜けて土塊とばす冬の馬場 耕人
九 言の葉の
十 さくさくと朝の散歩や霜はしら 夏風
十一 獅子舞うやしぐれる庭に春近し ちゃぶ台
十二 少年の音楽盗み白ふくろう 等
十三 白酒の喉とおる音軍手ぬぐ 粒人
十四 舌一枚焚火のなかに燻りぬ 等
十五 スカートの目玉模様や初しぐれ 粒人
十六 碧天を突く寒風や名残の音 ちゃぶ台
十七 たっぷ~んと鳴る屁の音あり水木しげる 肝啓
十八 第九聞く炬燵うれしく日本人 耕人
十九 吊革の等しく揺るる冬のバス 耕人
二十 時きざむ音に耳立つ鬼瓦 肝啓
二一
二二 とん汁や湯気の向こうに胴間声 粒人
二三 点滴のしずくの音や冬の海 耕人
二四 遠くにて手を振る君に忘れ物 康廣
二五
ニ六 初春や弱りし母の声は音となる ちゃぶ台
ニ七 万歳をする父知らぬ枇杷の花 等
二八 冬河原けむり纏いし人を待つ 等
二九 白髪の混じりし子にもお年玉 ちゃぶ台
三十 吹き寄せに枝ゆすり木枯らしを聴く 夏風
三一 軒つららぽとりぽとりと陽を浴びて 夏風
三ニ 水凍る音そら耳かと猫に聞き 肝啓
三三 耳を切る風音ならし漕ぐ銀輪 肝啓
三四 瞑想する冬の電柱とか川鵜とか 粒人
三五 笑う妻お節煮る音光る豆 康廣
―席題@飯田橋 某居酒屋は、今回モ(のみすぎて)お休み―
追伸:
◆次回は3月5日(土)午後5時から、場所は今回とおなじ小石川後楽園涵徳亭(かんとくてい)。
◎会費:3,000¥/人(会場使用料+軽い飲食費)、飲み会は別途精算。
◎投句は五句。題詠一句以上、有季または無季雑詠あわせて五句を投句いただけますでしょうか。 兼題は「
◎投句締切りは3月3日(木)昼ごろまでに宮坂宛てにメールで送信いただけますでしょうか。
0 コメント:
コメントを投稿